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最新の情報通信技術(ICT)をはじめとした革新的なテクノロジーを駆使して実現される快適で便利な持続可能な社会、スマートシティ、スマートコミュニティの実現に向けて、関連する分野においてそれぞれ進められている研究・開発、実証実験など、実用化に向けたさまざまな取り組みを総合的に発信していきます。
2014/02/22

適確なツール選びと活用の工夫が成果を左右する

『ディスレクシアプログラム』実践事例研究紹介
鳥取県大山町立名和小学校
内田利幸 先生

ICTを活用して障害児の学習・生活支援を行うプロジェクト
「DO-IT School」の成果報告会リポート
適確なツール選びと活用の工夫が成果を左右する

 読み書きが困難な小学5年の男子児童が、2013年度より特別支援学級に在籍することになった。その経緯について内田先生は、「1年生の3学期より週1時間通級、2年生、3年生で週2時間通級。それでも効果が上がらず、ほかの生徒と学習の差が開いてしまっていたため、4年生の時に週5時間の通級に増やして指導した。その際、通常学級を観察したところ、特に読むことに苦労していたため入級して指導することにした」と説明する。

マルチメディアデイジー教科書再生用ソフトウェア「AMIS」(Adaptive Multimedia Information System)

 生徒の知能指数は、1年生のとき80ほど、3年生で75前後、5年性なる直前は69あたり。これは、ほかの生徒と学習の差が広がっているための傾向だと指摘する。
 この児童の課題と対策については、読むことの支援については読み上げソフトを導入、そして文章を書く際に内容を整理するためのツールとしてマインドアップアプリを導入した。具体的には、読み上げソフトにはマルチメディアデイジー教科書再生用ソフトウェア「AMIS」(Adaptive Multimedia Information System)を、マインドアップアプリには「M8!」を選択した。
 AMISは主に家庭で活用していた。自宅にPCがないためAMISを導入したWindows8タブレットを持ち帰り、自宅で教科書を音読している。
 マインドアップアプリは、毎日の日記を書く前に、書く事柄を整理するのに活用。作文を書く際にも利用している。

効果測定について

 効果測定について作文の平均文字数と、かかった時間を計測して評価した。基準となる5年生の1学期は時間を計っていないが約63文字だったのに対して、夏休み以降は倍の文字数に増えている。これは、作文の書き方を指導した結果だであるという。
 さらに、マインドアップアプリを使用したのが一番下の行だ。文字数が増えるとともに、時間も大幅に短縮している。ただし、マインドマップアプリを使用している時間は計測に入っていない。
 また、先生による数々の試行錯誤も成果につながっている。読み上げソフトやマインドマップアプリは、あくまでもツールである。個々の児童生徒の適性に応じてツールを選び、工夫して活用することが効果につながる。そうした情報を指導者が共有したり議論したりするための場としても、DO-IT Schoolの成果報告会のような活動が必要だと実感した。

(リポート:レビューマガジン社・下地孝雄)
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