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2014/02/22

OAKの「モーションヒストリー」機能を児童生徒の実態把握に活用

『OAKプログラム』実践事例研究紹介
香川県 香川県立高松養護学校
谷口公彦 先生

ICTを活用して障害児の学習・生活支援を行うプロジェクト
「DO-IT School」の成果報告会リポート
OAKの「モーションヒストリー」機能を児童生徒の実態把握に活用

 OAKを活用している香川県立高松養護学校 谷口公彦先生は、わずかな動きでスイッチを操作できる「エアースイッチ」機能を高く評価していると強調。さらに、OAKの「モーションヒストリー」は、「独特で非常に価値のある機能」であると絶賛する。
 OAKのモーションヒストリーとは、体の動きをログに記録する機能だ。指導者の目では気付くことができないごくわずかな動きや反応を記録し、記録したデータを見ることで動いたり反応したりした箇所が簡単にわかる。谷口先生は、「この機能を利用すれば、動きが少ない児童生徒のわずかな反応を記録することで、実態把握につなげて支援方法を検討できる」と説明する。

OAKのモーションヒストリー

 実際にOAKのモーションヒストリーを利用して、小学部の児童の反応を記録したものが次の画像だ。この画像は、担任が一緒にいるときと1人になったとき、再び担任が戻ってきたときの反応を記録したもの。
 担任が退室して教室に1人になったときは、頭部(口や鼻あたり)が大きく動いていることが確認できる。ちなみに、実際の目視や映像では、本人の動きや顔の表情の変化ははっきりと捕らえられない。
 谷口先生は、「(モーションヒストリーを活用することで)耳元で音を立てたり、囁きかけたりといった変化にどのように反応するかを検証することで、児童生徒への有効な働きかけを見つけだすことができる」と解説する。
 次は逆に、常に身体を動かしている、いわゆる自己刺激的な行動が多い児童への活用だ。身体の動きが多いため反応が把握しづらく、実態把握が困難だった。そこで、児童の自己刺激的な行動を減らして、関わりの糸口を探ることを目的にOAKのモーションヒストリーを活用した。
 さまざまな刺激、例えば振動や音楽など与えることでどのように反応をするのかを、モーションヒストリーで撮影・記録した。その経緯と結果が次の画像だ。

タッピングが有効である

 この結果から左手の甲へのタッピングが有効であることが把握でき、学習を始めるときなど、何か行動を始めたり話しかけたりする際には、左手の甲へのタッピンングで自己刺激的な行動を止めて語りかけることができるようになったと報告する。
 人の知覚だけでは把握できない変化でも、ICTを活用することで正確に捕らえることができる。こうして得た情報やデータが、児童生徒の学習や生活のより有効な支援に活かせるのである。

(リポート:レビューマガジン社・下地孝雄)
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